経験学習 ヒトが育つしくみとOJT 【人材育成】

仕事
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どうもヨスケです。

会社で部下・後輩の育成に取り組まれている皆さん!

OJTはさせていますか?

もちろん!っと良い返事が返って来そうですが、質問を少し変えてみます。

 

そのOJTは成長につながるOJTになっていますか?

 

明確に、根拠を持って答えられる方は、今回の記事はスルーしてください。

OJTは新人・若手社員の成長に有効であるとされていますが、なぜ有効なのか?どのようにOJTをすれば、効果的な成長を促すことができるのか?

 

これに答えるには、ヒトが育つしくみを理解する必要があります。

 

日々悩まれている上司・先輩社員の方々への情報提供になればと、新人・若手社員の育成に9年間携わってきたヨスケがOJTの神髄を解説します。

 

この記事でわかること

① ヒトが育つしくみ 「経験学習」
② OJTとは
③ 「経験学習」を促すOJTの進め方

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ヒトが育つしくみ

ヒトがどのように育つのか、人材育成に関する書籍は大量に巷に出回っています。大学も「教育学部」が存在し、学問として成立しています。それだけ、関心が高いものであり、会社の利益に直結します。

OJTのお話しの前に、ヒトが育つ法則として、2つみなさんにインプットします。

 

7・2・1の法則

人材育成の分野では、とても有名な法則です。

「7:仕事上の経験」、「2:上司の薫陶(くんとう:指導やフィードバック)」、「1:研修」の割合で成長に影響するというものです。(米国リーダーシップ研究機関 ロミンガー社の調査結果)

調査・研究結果からも実務経験がもっともヒトを成長させる要因ということです。

よく「あの人は経験豊富だな」とかいいますので、皆さんも直感的に経験を多く積んでいる人は優秀(成長している)と考えていると思います。

そのため、実務経験を積ませて若手社員の人材育成を図る目的でOJT(On the Job Trainning)が各社でさかんに行われています。

経験学習

7・2・1の法則からも、「経験」がもっとも成長に影響を与えるとされていますが、ただやみくもに経験させるだけではうまく学び=成長に結びつきません。

ヒトが経験を学びに変換するプロセスには「経験学習」と呼ぶものがあります。

経験学習のプロセスを踏むことで経験が学びに変わり、その人の成長となります。

このプロセスは以下の通りです。

 

①具体的経験 (Concrete Experience)

現在の能力よりも一段高い業務(課題)や未経験の業務を実際に体験すること

例)これまで行ったことのない△△の案件を担当し推進する。

②内省的観察 (Reflective Observation)

①の「具体的経験」を多面的に振り返ること。具体的にどのような行動をしたか、うまくいったこと・失敗したこと、成功・失敗の理由を振り返ること

例)××の作業よりも先に〇〇の作業をするべきだった。。

 

③抽象的概念化 (Abstract Conceptualization)

②の振り返りで得られた気づきを基に、次回の具体的な行動として何をすれば良いかを明確にすること

例)次に△△系の案件をやる場合は、〇〇から取り掛かれば良い。

 

④能動的実験 (Active Experimentation)

③で得られた学びを実践の場で試してみること

例)△△系の案件を担当した際、〇〇の作業から取り掛かった。

 

④の次は①に戻りサイクルを回すことで、ヒトは成長していきます。

ヨスケは③の抽象的概念化がなされているかを最も重視して若手社員の育成を行っています。

「やった経験を次に生かせる」=「抽象的概念化がされた」ということだと理解しています。

 

OJTとは?

そもそも、OJTは実務経験を積ませて新人を成長させる目的の育成方法です。

 

よって、職場での仕事を通じて意図的・計画的に人を育てることが必要で、思いつき、場当たり的な指導はOJTとはいえないわけです。

OJTのメリット

OJTのメリットは以下のような感じです。

  • 本人の能力・個性に応じた指導ができる
  • 業務に即した教育ができる
  • 繰り返しの訓練が可能
  • トレーナーと新人との信頼関係を築くことができる
  • トレーナー自身も成長することができる

OJTのデメリット

デメリットは以下のようなものでしょうか。

  • 実体験中心の教育であり、 体系的・理論的な教育になり にくい
  • トレーナーの意欲や能力に大きく左右されてしまう

教える側が本気であれば、良く育つはず!

まとめ:経験学習を効果的に行うためのOJT

経験学習のプロセスを踏み、効果的に「抽象的概念化」が行われて成長してもらうには、OJTも意図的・計画的に取り組む必要があることはなんとなくわかってきたかと思います。
ヨスケの会社では、効果的なOJTの進め方は4ステップであるとしております。
各ステップの内容と具体的手順についてもご紹介します。

STEP1 個を見て、付与する仕事を考える

  1. 新人の能力を把握する
  2. 新人の「目指す姿」と育成計画を明確にする。
  3. 「能力+α」の仕事を決める

新人をどう育成したいのか、3年・5年後にはどうなってほしいのかを上司が示し、今の能力からのギャップを埋めていくよう経験を積ませることが大事です。

 

STEP2 能力が高まる仕事を与える

  1. 動機付けをする
  2. 「能力+α」の仕事を付与する

実際に仕事を割り振って経験させます。なぜその仕事をする必要があるのかは丁寧に説明をしましょう。モチベーションの維持は信頼関係や成長度合いにも大きく影響します。

 

STEP3 最後までやり抜かせる

  1. 日々の仕事ぶりを見て、新人の状況を把握する
  2. 必要に応じてサポートする

やり抜かせることなく、途中で仕事を取り上げては、モチベーションも下がりますし、成果を振り返ることが難しいです。手遅れにならない適切なタイミングでフォローをしましょう。

 

STEP4 成果を振り返る

  1. できたこと・できなかったことを把握する
  2. 強味・改善すべき点をフィードバックする
  3. トレーナーとして「良い仕事」をさせられたかを反省する

客観的に仕事の成果を見てあげる必要があります。また、トレーナー自身も経験学習のプレセスを正しく踏ませることができたのかを反省すべきです。

 

若手社員とお互い成長していく

OJTは若手社員に経験学習を積ませるツールですが、育成担当のトレーナーも自身の抽象的概念化について見直すこともできますし、仕事の与え方やフォローの仕方などについて経験学習が積めるわけなので、両者ともに成長が期待できる非常に効果的なツールです。

 

もしよければ、月曜日から若手社員にOJTをさせる際には少し取り組み方を意識してみてください。

 

以上、参考になればうれしいです。

 

経験学習について、勉強した本の紹介をしておきます。

 

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